
アメリカでは2年ほど前からギフトカードビジネスが本格化し、最近はギフトカードを発行していない大型チェーンはまずない、というくらい浸透した。その市場規模は700億ドル(約8兆円)ともいわれている。
日本にも昔から百貨店などの「商品券」があり、特定の小売店で使える有価証券の発行は、決して目新しい販売促進ツールではない。しかし、今日のギフトカードは技術的にも進歩し、クレジットカードのようにプラスチックでできていて、残高をはじめとする様々な情報を磁気に記憶させることができ、情報をトラッキングすることで市場分析にも活用できる。
アメリカでギフトカードが広まった背景には、クリスマス商戦を中心としたギフト販売の過熱と好みの多様化がある。これだけ物質が豊かな今日、個人の嗜好やセンスは性別や年齢だけでなく、暮らしている場所、環境、生活スタイルなどによって大きく異なる。そのため、ギフトに何を選ぶかが難しくなっている。そこでモノではなくギフトカードをあげて好きな商品を自分で選んでもらおうとするアメリカ人が増えているのだ。
この傾向に目をつけて、最近は小売チェーンだけでなく、ホテル、レストラン、クレジットカード、美容サロンやスパ、航空会社、音楽配信サービスなど、あらゆるビジネスがギフトカードを発行するようになった。クレジットカードにおいては、もらったギフトカードで自分の残高を支払うこともできるタイプもあって、「ギフトで借金を返す」というちょっと恐ろしい動きもでてきている。
また、ギフトカードそのものが「商品」として、発行元以外の小売店で売られるようになっている。たとえばスーパーマーケットやドラッグストアに行くと、レジの近くに大きなギフトカードのコーナーが設けられ、あらゆるビジネスのカードが販売されている(写真)。
小売店は卸値でこのギフトカードを仕入れ、小売価格とのマージンを利益として得る。カードの発行元は、たとえば、50ドル相当のギフトカードを35〜40ドル程度で小売店に卸すことになるが、未使用や全額を使い切らないカードも多いため、マージンの支払いは痛手にならいのである。むしろ、小売店にどんどんギフトカードを売ってもらい、カードが使われなければそれだけ利益が上がるメリットもある。
このように、ギフトカードは誰にとってもおいしいビジネスで、その利用方法はまだまだ広がっていく様相だ。