
前回のエントリーで、住宅の購入が「一生に一度の大きな買物」ではないことを書いた。ライフステージに合わせて家を住み替えるアメリカ人にとって、不動産は投資なのである。
たとえば、結婚してコンドミニアムを買ったとする。その数年後に子供ができて一軒家に住み替えようと思った時、コンドミニアムの資産価値が上昇していれば、売却価格のアガリを資金にすることができる。資産価値が大きくあがっていれば、自分の年収の相場より1ランクも2ランクも上の住宅を購入することができるのだ。
子供が増えてその家が手狭になった時、不動産価値があがっていればさらに大きな家に移り住むことができる。子供が独立したらその家を売却または貸し出して、夫婦2人で小さなところに移る。こうして不動産からのアガリをうまく運用して、老後の豊かな生活に備えようとする願望が、特にベビーブーマー以降の世代では強い。
これは飽くまでも理想で、現実は勝ち組でい続けることは難しい。初めての住宅購入の時期を誤ると、資産価値の損失が痛手となって尾を引くし、一度買ってしまった住宅から引っ越せなくなることもある。また、容赦ない企業のレイオフや離婚といったアメリカの厳しい現実も、理想を脱線する原因をつくる。
しかしながら、「不動産はあがるもの」と信じ込み、誰もが勝ち組になろうと飛びついた結果、サブプライムローンの問題が起こってしまったのである。
(続く)
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